パステルカラーの恋模様
『まぁ、いいじゃん!啓は好きでもない奴に合鍵渡したりしねぇだろ。いくら不用心でも、天然でも』
「なっ、何で知ってるのよ!」
『別に~?とにかくお前、頑張れよ!負けんな!』
「…ちょっと、何であたし、そんなアンタに応援されてんの?何か企んでる?」
すると鮫島は『だってさ~』と締まりのない声を出した。
『俺、啓の元カノ、嫌いなんだよ』
「え?」
『何かムカつく!』
「何それ……」
『ま、俺も一度惚れかけた事あるけどな』
あたしは一瞬黙ってしまった。
色々とそちらも、ワケありなのね。
何となく頭の中に元カノのイメージがぼんやり浮かんだ。
頭の中のその子は、凛とした表情で笑っている。
すぐに、その子の元に啓太が寄り添って、手を繋いであたしに背を向けて…。
い、嫌だ~!!