パステルカラーの恋模様

「やだ…!」

『んだよ、何弱気になってんだよ!啓太だぞ?お前がリードしてくしかねぇよ!』


「あっあたしっ、一応、女の子なんだけど?!」

『大丈夫、大丈夫。勇ましい女、俺は嫌いじゃないよ』

「はぁ…あのねぇ!」


『とにかくオフェンス!攻めあるのみ!お子チャマ啓太に何を期待してもダメだ。もう、お前が押し倒せ!』


「はっ?!押し倒っ…はぁ?!」



あたしは思わず声を張り上げた。

女の子に、何を言い出すんじゃ、この男は!


顔が火照ってきた。



ま、まずい。

さすがに明日香たちが、おもしろがって寄ってきてしまった。



「あのねぇ!あたしは、そんなはしたない事考えてないし、まぁ、可愛くてついついいじめたくなる時はあるけど…って!いや、違うの!そういう変な意味じゃなくて…!」


『へぇ、まぁ頑張って。つーか、待ち合わせ場所に彼女来たから切るわ!痛っ!違うって!浮気じゃないから!…あ、もしもし?お前の話はまた後で聞いてやるから!ま、頑張れよ!…あ~っ!ごめんって!待てって!美紀ちゃぁ~ん!!』



「あっちょっと!」






ツーツーツー。
< 140 / 257 >

この作品をシェア

pagetop