パステルカラーの恋模様

あたしが化学のノートを棚に戻した時、ある物を見つけた。


あ!!

思わずそれを手に取った。



「卒業アルバム…!」



そういえば見たいって思ってたんだ!

どれどれ?あたしはぺタッと床に座り込んで、卒業アルバムのページをめくった。



啓太は、3年2組のページにいた。


「あ、何か幼~い!」


元々童顔だから、あんまり今と変わらないけど、でもやっぱり少し子供っぽく感じる。



ページをめくると、クラスの思い出写真が所狭しと並んでいた。

青と黄色のいかにも中学生って感じのジャージ。



なつかしいな。

何だか、自分の中学時代を思い出す。


皆の笑顔が眩しい。



修学旅行、体育祭、スキー教室、調理実習……、色々な写真があったけど、その中で啓太が前髪をしばっている写真を見つけた。


赤いりんごのゴム。



「ぷはっ、これの事かぁ~」



可愛い~っ!

ちょっと拗ねてる所がまたいい。



うしし、後でからかってやろ!

あたしは一人でニヤけっぱなしのまま、またページをめくった。



『愛されタイ焼きくん』だって。

これは、文化祭かな?



そう思った時、あたしはある写真に目を奪われた。
< 146 / 257 >

この作品をシェア

pagetop