パステルカラーの恋模様
「これ…って……」
それは、文化祭の模擬店の裏手にいるクラスの皆の写真だった。
それだけならいい。
でも、その写真の中心には、楽しそうに笑っている啓太と、啓太の肩に頭を乗せてピースしている女の子が写っていた。
おそろいのクラスTシャツ着て、仲良さそう。
周りはその二人を強調させるように、前に前にと押しやっているように見える。
あたしはすぐに理解した。
この子だ…。
この子が啓太の……。
あたしはページを戻って、一人一人の写真を辿っていった。
いた!
「桃井愛美……」
少しウェーブがかった肩くらいまでの髪。
その子は、あたしのイメージ通りに凛とした表情で笑っていた。
「可愛い……」
確かにひとり目立つ、花のような子だった。
この子が、啓ちゃんと付き合ってたんだ…。