パステルカラーの恋模様

「美園~、おつかれ。終わろ~」


!!


「うっうん!」


あたしは、とっさに卒業アルバムをケースに戻し、適当に本棚にしまった。

そして適当に漫画を取り出して、ページをめくった。



部屋に入ってきて、きょとんとする啓太。



「何してんの?」

「ま、漫画!」

「…ねぇ、美園」

「は、はい?」



啓太が変な顔で、あたしに近づいてくる。

そして、本棚をちらっと見た。


や、やばい。バレた?!




「それ、30巻じゃん!それ面白いから、1巻から読みなよ。なんなら貸すから」

「…は?」



よ、よかった、啓ちゃんが鈍くて…。


その漫画の面白さを生き生きと語る啓太を見て、ホッとしつつ、あたしはさっきの写真を思い出した。



元カノはやっぱり可愛かった。

くやしいけど、可愛かったよ。



でも、関係ないじゃん。


今は彼女じゃないんだから。

過去の人なんだから。


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