パステルカラーの恋模様
攻めるんじゃなかったの、美園!!
元カノなんかに、負けんなよ。
振り回されんなよ。
分かってるのに、心は揺れる。
ぐらぐら、ぐらぐら。
あの笑顔が、あたしの自信を奪っていく。
いつか、あたしの居場所を取り返しにくる気がして、急に怖くなった。
啓ちゃん!!
思わず居間に目をやる。
啓太は変わらずちゃんと傍にいるのに。
いつか、手の届かない人になっちゃうような気がした。
あの幸せそうな二人の笑顔が、目に焼きついて離れないよ。
怖くなって、居間の啓太の所へ駆けていった。
絶対、渡すもんですか。
あたしが後ろから、啓太の腕をつかむと、啓太はきょとんとして、何も知らずに、ただ笑っていた。