パステルカラーの恋模様

元カノ…可愛かったなぁ。

あの仲の良さそうな写真には、さすがに凹んだ。



結局、何があって付き合うようになったのか、別れたのか、本当に元カノが啓ちゃんを裏切ったのか、本当の所は知らない。



鮫島もちゃんと教えてくれないし、啓太には……聞きづらいし……。

あ~っ!!!



きっとあたしの初夢は、元カノの自信たっぷりの笑顔を見ながら、マシュマロに埋まる夢だわ…。


そんなの、い、いや~!



「美園、お~い?」

「…へっ?」



気がついたら啓太が変な顔で、あたしの顔の前で手を小さく振っていた。

あたし、また一人で妄想しながら百面相してたんだ。


危ない!危ない!



すると鮫島がうっとうしそうに後ろを振り返り、不憫そうな顔をした。



「お前、階段転がり落ちんなよ?いくら“まり”のような顔だからって…」

「なっ!何よ!まりって!!」



最悪!

しかも啓太は大爆笑。



「もう!啓ちゃんまで!笑わないでよ~!」
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