パステルカラーの恋模様
―…
あたし達のただならない空気を読んでか、明日香と京吾くんは、ドリンクバーを一杯飲んだだけで、店を出た。
二人っきりになりたいから!なんて、わざといちゃついて、気を使ってくれたんだ。
でも、あたし的には、いてくれた方がよかったかも……。
だって、今度こそ、ふたりっきりになっちゃって、この沈黙を破る術が見当たらない。
「……美園、食べないの?」
「へっ?あ…ううんっ……」
あたしはスプーンを手にとり、パフェの苺に手を出した。
カチャンと、無機質な音がした。
まただ。
また、ここだけ点線で切り取られてるみたい。
「…ねぇ、啓ちゃん…」
「美園さ、さっきの事、気にしないで良いからね」
「…え?」
啓太はニンっと笑って、ケーキを一口食べた。
気にしないでいいって言われても…。
「んっ!これ美味い!甘酸っぱい」
「ほ、ほんとにぃ?」
「うん!美園も、一口食べる?」
「うん…へへ…」