パステルカラーの恋模様
「あはっ…は…なにそれ」

「ふ…何だろうね…」



本当、何それ。



あたし達は、不自然な会話をしながら、食べる手を進めた。



やっぱ、味しないよ。

甘いけど、何だか、苦いよ。


心が苦いよ。




「ねぇ、愛美さんって……」


あたしがそう言おうとすると、ガタっと啓太が立ち上がった。




「ごめん、ちょっと、ドリンクバー行ってくる」

「あっ…うん…いってらっしゃい…」



やっぱり、話したくない…か。

啓ちゃんがその気なら、あたしもう話さないよ?消去するよ?




元カノは元カノ。

今は今だもん。




でも、早くしなきゃ、早くしなきゃ…啓ちゃんがとられちゃう。

あの子に、持って行かれちゃう。



変なの。

啓太は物じゃないのに。



でも、どうしても欲しいんだよ。

啓太を、啓太の隣という居場所を、あたしだけの物にしたいんだよ。





わがままかなぁ?

うっとうしいかなぁ?




ね、啓ちゃん、どう思う?
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