パステルカラーの恋模様
ひだまりみたい
あたしの足。
もっと軽やかに歩きなさい。
手元からは、おみやげのたい焼きが4つ、甘い香りを漂わせている。
トラックが何度も行きかってうるさい。
そこの小さな公園を曲がって、住宅街に入って、薄ピンクの家のとこ右に曲がったらすぐ、啓太のマンションだ。
あたしは、クルッパーになるのは御免だ。
だから、あたしは前向きに今日、啓太のマンションにやってきたわけなんだけど。
ただ…やっぱり足取りは重い。
部屋の前まで来ると、ピンポーンとチャイムを鳴らした。
そわそわ。
あー何か、生徒手帳を取り来た時の事を思いだすなぁ。
すると、チャイムの所から、ジリジリと音がして、
「今、手ぇ離せないから、鍵使って入ってきて!」
と啓太の慌てた声が聞こえた。
「なっ何してんの?!」と聞く前に、外線は切られてしまった。
あたしは、鞄をあさって空色の鍵を取り出し、ガチャっとドアを開けた。