パステルカラーの恋模様
「啓ちゃーん?」
中に入っていくと、啓太は、今の窓のカーテンを付け替えていた。
「いらっしゃい」
啓太はニカッと笑って、またカーテンを付け出した。
あたしはテーブルにたい焼きを置き、コートを脱いだ。
「あれぇ、模様替え?」
「ううん、カーテン洗ったからさ。またつけてんの」
「あー、なるほどね」
三脚が揺れて、危なっかしいなぁ。
でも、よかった。普通に話せる。
「よっと!終わりっ」
啓太が着地!みたいなポーズを取り、おどけて笑った。
今日の啓ちゃんは、薄い草色のニット。
もう~!!何で、何着ても似合うの?
あたしはポヤ~っと考えた。
ある服屋さんにいるあたし達。
あたしが試着室にいる啓ちゃんに、「これも!これも!」と服をぽいぽい投げ渡して、啓ちゃんは次々に洋服を変えて、笑顔でポーズ。
まるで、ファッションショー!
頭の中で映像がパッパッと切り替わった。
…なんて、できたらいいなぁ。