パステルカラーの恋模様
―…
「がっ!」
あたしは何かに顔を踏まれて、慌てて飛び起きた。
どうやら、犯人はポポみたい。
「こるぁ!何すんの、アンタ」
「わん!」
ポポは捕まえようとするあたしから逃げて、今度は啓太に飛び乗って、顔をぺろぺろ舐めた。
「ん~…」と、変な顔で唸る啓ちゃん。
あたしは、「これ!やめなさい、ポポ」と言って、小さなポポを抱き上げた。
時計を見ると、4時半を過ぎていた。
「うわー、結構寝ちゃったんだ…」
「んー…今、何時?ふあ~…む」
啓ちゃんがむくっと起き上がって、目をこしこしとこすった。
あたしはシャキっと立ち上がって、伸びをし、「4時38分!」と答えた。
啓太は起きてもまだポーっとしている。
あたしはそんな様子を見て、微笑み、新聞を広げた。
「あ、今、好きなドラマの再放送やってる!」
「へ~…何の?」
「ほら、あの、検事の奴よ。キムタクの」
「あー…ねぇ」
あたしはテレビをつけたが、ちょうど洗剤のCM中だった。
啓太は、小さく、あたしの背中に問いかけた。