パステルカラーの恋模様

―…

「がっ!」


あたしは何かに顔を踏まれて、慌てて飛び起きた。

どうやら、犯人はポポみたい。



「こるぁ!何すんの、アンタ」

「わん!」



ポポは捕まえようとするあたしから逃げて、今度は啓太に飛び乗って、顔をぺろぺろ舐めた。



「ん~…」と、変な顔で唸る啓ちゃん。

あたしは、「これ!やめなさい、ポポ」と言って、小さなポポを抱き上げた。


時計を見ると、4時半を過ぎていた。



「うわー、結構寝ちゃったんだ…」

「んー…今、何時?ふあ~…む」



啓ちゃんがむくっと起き上がって、目をこしこしとこすった。

あたしはシャキっと立ち上がって、伸びをし、「4時38分!」と答えた。



啓太は起きてもまだポーっとしている。

あたしはそんな様子を見て、微笑み、新聞を広げた。



「あ、今、好きなドラマの再放送やってる!」

「へ~…何の?」

「ほら、あの、検事の奴よ。キムタクの」

「あー…ねぇ」



あたしはテレビをつけたが、ちょうど洗剤のCM中だった。

啓太は、小さく、あたしの背中に問いかけた。


< 178 / 257 >

この作品をシェア

pagetop