パステルカラーの恋模様

一瞬で目が覚めた。

メールは啓太からだった。


落ち着かない指で、受信ボックスを開く。

メールにはこう書かれていた。



『今日はごめんね。心配かけてごめん。明日から、学校だね。今日、美園がキーホルダーかなんか落としていったみたい。明日渡すね』


「……あれ、あたし落としたかな?」



まぁいいや。


あたしは面倒くさくて、今日持っていった鞄にキーホルダーがついていないか、なんて確認しなかった。


どうでもいい。



それより、いつもみたいに、変な言葉遣いしないんだね。

あたしは、『ありがとう。じゃあ、また明日』とだけ打ち返し、携帯を充電器に繋いだ。


ピロリンっとまぬけな音が響く。

そして、またごろんっと寝転がった。



やっぱり天井は、家の天井だ。

つか、頭、痛い……。



ふ、何か……デジャブみたい。

デジャブか。



あたしはこめかみを押さえて笑った。


可笑しいよね。

むなしいよね。



また、鼻の奥がツンとした。
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