パステルカラーの恋模様
「……啓ちゃん」
「待ち伏せしちゃった」
啓ちゃんは、ふっと小さく笑って立ち上がった。
やだ、何でいるのよ。
目ぇ赤いの気づかれる。
あたしは軽く、フイっと顔を逸らし、「何かあった?」と聞いた。
すると啓ちゃんは、大事そうにマフラーを触りながら、「家まで送る」と言った。
バス停と家は、そんなに遠くない。
ゆっくり歩いて3分くらいだ。
あたし達は、とぼとぼと家までの道を歩いた。
「どうしたの?」
「ん?何か、美園の顔が見たくて」
「ふふ、何それ」
本当、本気なんだか、嘘なんだか。
「……愛美さん、家に来てたよ」
「え?」
「謝りたいって言ってた」
「ああ…。いいよ、ほっといて」
「ほっとけないよ。だって…」
啓ちゃんの目を見る。
ん、と首を傾げる啓ちゃんを見て、言葉をつぐんだ。