パステルカラーの恋模様
「ね、変な事言っていい?」
「何?」
「あたしね、思うんだけど、啓ちゃんを色に例えると白なのね?」
「そうなの?」
「うん。でね、あたしは、結構ツンツンしてたりして、そういう柔らかい色じゃないのね。例えば、あたしが人に当り散らすような気持ちの時、原色の“赤”の時、啓ちゃんが笑って、白と混ざって、ピンクになる。あたしが、沈んで深い深い“青”の時は、啓ちゃんが傍にいてくれて、白が混ざって、水色になる。柔らかい、パステルカラーになる」
いつもいつも、傍にいた。
啓ちゃんといると、優しくなれた。
柔らかい気持ちになれた。
「だから、あたし、啓ちゃんと一緒にいる時間が大好きだったよ」
啓ちゃんはそのまま聞いている。
あたしは、口がぐにゃっとなるのを抑えながら、続けた。
カラスが空に弧を描いた。