パステルカラーの恋模様

「ちゃんと話せよな!」

「…アンタに何が分かんの」

「えっ?何?」



あたしはカッとなって、もう一度叫んだ。



「別にいいでしょ!ほっといてよ!」




あたしはまたズンズン前へ歩き出した。

すると、鮫島は負けじと言い返した。



「お前に伝言だよ!」

「はっ?!」


「啓からー!!」



あたしはピタッと足をとめ、振り返った。




「話したい事があるから、啓ん家の近くの公園で待ってるって!お前に伝えろって言われたんだよ~!」


鮫島は口に手を当てて、大きな声で言い放った。



嘘…啓ちゃんが?あたしに?

話したい事?


何だろう…?何の話だろう…?



怖い。

でも、でも…!





「もっと早く言え、バカ~!!」

「はっ、お前、ふざけんなよぉ!」




あたしは一目散に走り出した。

鮫島の声が遠のいていく。




ありがとう、鮫島。

いつも世話になって、スマン。

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