パステルカラーの恋模様
ソファに座って、お菓子を食べた啓ちゃんは、また目を輝かせた。
「おいしい!これ何入ってるの?ふわふわだね」
「何だと思う?」
「ん~」
「ふふ、また共食いだ」
「ふえ?」
啓ちゃんはスプーンを口に入れたまま、首を傾げた。
あたしは何でもないよ、と言って、啓ちゃんの肩に頭を乗せた。
わ、我ながら大胆。
でも、なぜか、今は素直になれる。
今ここにある温もりを、きっと、人は愛って呼ぶ。
照れて笑う啓ちゃんの顔も、さりげなく「ん」ってあたしの頭に頭を乗せてくる啓ちゃんも、またデレデレ笑い合う二人も、愛だ。
応援してくれた、フォローしてくれた、支えてくれた、皆の気持ちも、愛だ。
すれ違ってる間、遠くにいる啓ちゃんを想ってた時間も、辛くて流した涙も、みんなみんな、愛だ。
色んな人の優しさに支えられて、今の二人がいるんだよ。
色んな壁を乗り越えて、今こうして一緒にいるんだよ。
それって何か、奇跡みたいだと思わない?
ね、啓ちゃん。
これからも、ずっとずっとずっーっと傍で、笑っていようね。