パステルカラーの恋模様
「直樹先輩…?」


うわーっ直樹先輩が何であたしに声を…?

今、一瞬で心拍数があがったよ、絶対!


直樹先輩は青いネクタイ(ちなみにあたし達の学年は赤)をかなりゆるめていて、首元にアクセサリー。

それがすごくワイルドでさらにカッコよくみえた。


直樹先輩はポケットに手を突っ込んで、大また歩きであたしの方に歩み寄ってきた。


あたしは啓太が隣にいるなんてすっかり忘れて、ドギマギと姿勢を正した。



いつもの、先生にする起立、気をつけ、礼…の、気をつけとは比べ物にならないくらい、棒のように背筋を伸ばした。




「こ、こんにちは、先輩!」

「ん。久しぶりだね、美園ちゃん」


先輩があたしに微笑んでる。

鼻血が出そう…。

すると直樹先輩は啓太を軽く睨んだ。


ん?あれ、ちょっとヤバイ雰囲気?

あたしは、さっさと啓太を帰した方がいいと思って、自転車置き場の方に歩くように、言おうと思った。

その時、


「なーんかヤな感じぃ」


なっ!

横で啓太が挑発的な目で先輩を見て、口を尖らせた。


「あ?」


眉をひそめて、もう一度、啓太を睨む先輩。

あたしは必死に場の空気を戻そうとした。


「バカッあんた…っ何言ってんの!あ…先輩、本当にすみません!」


ぶーっと口を膨らませて、反省の色を見せない啓太。



もうーー!!

何のつもり?!

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