パステルカラーの恋模様
啓太は最後の方の四コマ漫画に目を通しながら、さりげなく言った。
「そ、そう?そんな事ないよ!」
あたしはなぜか姿勢を正してしまう。
「…俺にはそんな顔しないもんな」
「え?」
啓太くん?それは、一体どういう…。
「ま、いいや。大丈夫なんだよね?その直樹先輩。いい人なんでしょ?」
「えっあ、うん。もちろん!いい人だよ」
「ならいいや。ま、頑張ってねん」
啓太はそう言って、くるんとあたしに背を向けた。
ふ、心配してくれてるのかな?
それとも、先輩の話ばっかりで拗ねちゃった?
「啓ちゃん?」
「んー」
「スキあり!」
あたしは後ろから啓太のわき腹をくすぐった。
「ちょっ!わき腹はっ、ぎゃははっ、やめてぇ~~っ!」
明日、勇気を出して先輩を誘ってみよう。
もしうまくいったら、啓太に一番に教えるから。
“啓太が恋のキューピットだよ、ありがとう”って。