パステルカラーの恋模様
―…
「次の方~お乗りください」
あたし達はさっそく観覧車に乗り込んだ。
「あ~あ、パンダの顔がよかったなぁ」
観覧車はゆっくりとあがっていく。
観覧車に乗るなんて、何年ぶりだろう。
「俺、ちょっと高いとこ苦手なんだよね…」
はっ?!
「えっ、高所恐怖症?!やだ、もっと早く言ってよ!」
「いや、大丈夫。美園と一緒だから」
「何それ…」
またものすごい事をあっさりと言われ、調子が狂うあたし。
顔…赤くなってませんように!
あたし達のコアラはちょうどもうすぐてっぺんだ。
景色がキラキラしていた。
茜色に染まった町並み、あたし達も光を浴びて、ほんのり茜色に染まっていた。
少しの沈黙。
あたしは外を見ている啓太の事を見た。
どうしても口元に目がいってしまう。
「…啓太、昨日、ごめんね」
「え?」
「巻き込んじゃって」
「彼氏ですから」
「ふっ、仮のね?」
「傷口、大丈夫?痛い?」
「美園こそ、大丈夫?」
あたしはハッとした。
から元気なの、ばれちゃったかな。