パステルカラーの恋模様
ふわっといい香りが漂い、お昼が出来上がった様子。
可愛いチェックの黄色と黄緑のランチョンマットをひいて、あたし達は食卓についた。
「いっただきまーす」
「…美味しい!すごい!レストランで売ってる奴みたい!」
お世辞じゃなくて、啓太の料理は本当に美味しかった。
女のあたしとしては、ちょっと悔しいくらい。
「俺が料理好きじゃなかったら、母さんも俺を置いていかないよ」
「ふーん、なるほどね。何でも作れるの?」
「まあ、レシピとか見ればね。クッキーとか、マフィンとかよく作るよ」
啓太にお菓子作り…
あたしの頭には、作りながら、ほっぺにクリームとかくっつけて楽しそうにお菓子を作っている啓太が思い浮かんだ。
ぎゃーっ可愛いすぎる!鼻血が…!
「今度一緒に作ろっか!」
啓太がふにゃっと笑うので、あたしは反射的にそっけなく「気が向いたらね」と答えた。
ぶーっと口を膨らます啓太も可愛い。
「俺も美園の肉じゃがとか食べたいな」
「それも気が向いたらね」
「何か奥さんみたいで憧れるじゃん。男は肉じゃがに弱いんだよん」
「ごほっ!けほけほ…」
まったく、本当に、こいつは…!
「ごちそうさまでした!」
食べ終わり、お皿を持って啓太が流し台に向かったので、あたしは引き止めた。