パステルカラーの恋模様

まぶしい背中

「えー、本日は市内ゴミ拾いボランティアにご参加いただき、まことにありがとうございます!はりきって、ゴミを拾いましょう!」


………。


「おーっ!」

「…ねぇ、ちょっと、おーじゃなくて、ちょっと啓ちゃん」


あたしは啓太の服をつかんで引っ張り寄せた。



「なに」


啓太はちゃっかり白いタオルを頭に巻き、ロンTも腕まくりし、気合を入れている。



「これ、どういう事?!」

「どうって…こういう事じゃん?」


啓太は市民の皆サンに目をやってやたら爽やかに笑った。


「…ハメられた…」



軍手とか汚れてもいい服とか…予想しようと思えばできたのに…。

せっかくの日曜日だったのにぃ!

やっぱり来るんじゃなかった。



ていうか、今日は絶対に部屋から出ないって決めたのはダレでしたっけぇ?!

何やってんの、あたし~!



すると啓太が、あたしの肩に手を置いた。


「まぁ、いいじゃないか。たまには、貢献しないと。ね?」

「…うー…。はぁ」


はぁ、笑わないでよ、もう。

結局いつものパターン。


何だかんだ、啓太に言われると、あたしはつい首を縦に振ってしまう。


くそ~やっぱり、くやしいよ。

啓太のその余裕っぷりを見ると、何だかくやしい。



…はぁ、やりますか。

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