パステルカラーの恋模様
「熊の子見ていたかくれんぼ~お尻を出した子一等賞~っとおい」

「うー、助けて~…」

「おおうっ、熊?!」


コンビ二帰りだろうか。
そこに変な鼻歌を歌いながらふらふらと通りすがったのがマシュマロ男で、そのまま肩かりて家までつれていってもらって…。


「ほらっ、もうすぐ俺ん家つくから、吐くなよっ?」

「もう無理、死ぬ…うっ」

「ぎゃーっ」


それで酔ったまま、お風呂まで貸してもらって、きちんと服着ないままベッドにダイブして、爆睡。

そして…あの朝に至る。


あれ、じゃあ、これって、

酔っ払い女が、通行人巻き込んで、軽く暴れて、親切をあだで返して、誘拐犯扱い…?


―…


「思い出した?家出少女」

「…す、すいませんでしたぁーっ!」


あたしは膝におでこがつくくらい、思いきり深く頭を下げた。

何て事、あたし!何てふしだらな事を!



あたしは自分のした事が、信じられなくて、恥ずかしくなって、穴があったら入りたい気持ちだった。

やっぱり『若気の至り』じゃ済まされなかったよ、昨日のあたし。

今すぐタイムマシーンに乗って過去に戻って、やめさせたい!


でかい態度取っちゃったし、あげくの果てに誘拐犯扱いなんて……。




「別に、分かればいいのよん」

「…変な喋り方」

「何?」

「い、いえ…何でもございません、殿…!」

「うむ、苦しゅうない!」



とほほ。

あたしは何だかあんなに嫌だった我が家に帰りたくて仕方がない気持ちになった。

中途半端に非行になんて走るもんじゃない。


それよりあたしはどうしてもこのマシュマロ男に確認したい事があったんだ。

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