パステルカラーの恋模様
「うわぁ、綺麗…!」
「うん」
色とりどりの花火が咲いた。
その光が残像となって、目に残る。
あたし達は両手に花火を持って、小学生みたいにそこらへんを走り回った。
「見て見て、美園!ハート~」
「あらー、しゅごいねぇ、啓ちゃん」
「へへ、俺の愛!」
あ、あ、愛?!
ああ、今回りが真っ暗でよかった。
顔が赤いのがバレなくてすむ。
啓太の笑顔は花火の光に照らされ、輝いてみえた。
しゃがんで花火に見とれていると、啓太が花火を近づけてきた。
そのうち啓太の花火に、あたしの花火の火がうつって、啓太の花火に花が咲いた。
それだけで、何だか嬉しくて、あたしはニヤけた。
散々大はしゃぎした後、残すのは線香花火だけになってしまった。
どうして花火が終わりそうな時って、こんなに切なくなるんだろう。