パステルカラーの恋模様
「何?入部希望?!マジで大歓迎だよ!」
「えっ?!あの…っ!」
「そんな緊張すんなっ!取って喰いやしないから!いやー、俺たちもさぁ、むさくるしいヤローばっかで寂しくて。ボーカルはどうせなら女の子にやってもらいたいっつーか!」
「いや、あのっ違くて~!」
さあさあ、どうぞ!とばかりに、大歓迎を受けたあたし。
違う~!どうしよう!
そんな時、奥の方から声がした。
「あれ?お前、何してんの?」
「あーーっ!!いたーーっ!」
「えっ、隼人、知り合い?」
入部希望じゃなく、人探しで来ただけと知った坊主達は、何だ~と肩を落として、それぞれ楽器を手に取り、練習を再開した。
そう、あたしは今日、鮫島隼人に用があって来たんだ。
あたし達はとりあえず場所を移す事にした。
渡り廊下で、鮫島はあくびをして訪問の理由を聞いた。
「で?何だよ、聞きたい事って」
「あ、うん」
今日、鮫島の所に来た理由は他でもない。
元カノ疑惑の話を聞き出すため。
あたしは、啓太が好きって決めたから。
ちゃんと聞いておきたいと思ったんだ。
別に、昔の話を引っ張り出して、どうこう言うつもりじゃないけど…やっぱり気になるよ。