パステルカラーの恋模様
「えっとね…えっと…」
そ、それにしても、聞きにくい…。
喉元までは来てるんだけど。
「啓の事?」
「えっ!!あ、うん…そう…」
鮫島は「ふ~ん」とあたしを見て頷き、にやりと笑った。
やな感じ!
「いいぜ、いいぜぇ!何でも聞けよ。啓の事は大体分かるから。中学から一緒だし」
そうやってオープンに、どーんっと構えられると…話しやすいんだか、にくいんだか。
「ていうかさ、啓太って中学の時、どんな子だったの?」
「あ?どんなって?」
「ほら、負けず嫌いだったとか、勉強が得意だったとか、女の子にモテてたりとか!啓太ってさ、あんまり自分の話しないじゃない?ちょっと気になるんだよね」
思い当たる節があるのか、ないのか、鮫島は左の上の方に目をやって、中学時代を思い出しているようだ。
そしていきなり笑い出した。
「啓は、とにかく天然でさ。皆に可愛がられてたよ。女子がふざけて、前髪を花のゴムでしばったりさ」
「へ、へぇ~」
あたしは生唾を飲んだ。
今も可愛いけど、幼さが残る中学時代は、もっと可愛かったんだろうなぁ…。
見たい!
あとで、卒アル見せてもらおう。