PRINCESS STEP
「君は俺のヒーローだね。それに、すごく可愛い。強い君も良いけど、女の子らしい君も見てみたいよ」
男はそう言って、あたしに顔を近付ける。
「あ?ま、待て!なんの話をして………」
あたしは慌てて顔を背けるが、腕を捕まれて離れられない。
…強い力……。あたしでも振りほどけないなんて、嘘だろ!?
こいつ、本当は強いんじゃ………
「うん、君に決めた。俺のプリンセスにしてあげるよ」
男の言葉にあたしは、目を点にする。
この男は今何を口走ったのだろうか。聞き間違いじゃなければ、プリンセスがどうのとか……
絶対にコイツ、危ないタイプだ!!!
鳥肌が立ってきた!!!
「俺の女になりたいって思わない?」
は、はぁぁ!?
コイツはあれか、自分に酔ってる、アホ野郎なのか!?
あたしは男を睨みつけ、その胸を押し返す。
「無い」
即答すると、男は面白そうに笑った。