PRINCESS STEP
「俺、女性にフラれた事ないんだけど、君がその記念すべき一人目みたいだ。俺の初めてを奪ったっていうのに、君はつれないみたいだから……」
そう言って、男はわざとらしくため息をつく。
「でも俺、yesしか認めないから」
なんだ?この男何を考えてるんだ?非常に嫌な予感がする!!
「あの傘、ざっと100万するんだよね」
そう言って男は、折れた傘を見遣る。
「…1000万………?」
そんな傘がこの世界に存在するのか!?全人類の疑問だと思う!!
「それに、君が投げ飛ばした男、俺の車にぶつかったみたいなんだけど……」
「く、車って………」
男の視線を追うと、そこには、やけに縦長のあきらかな高級車が、止まっていた。
そらは、見事にボコボコになっている。
ひ、ひぃぃっ!!!
あれ、いくらすんだ!?き、聞くのが怖いっ!!
「あれ弁償出来る?」
男の言葉にあたしは目を見開く。
弁償……だと…?
10000万+金額未知数高級車、高校生の寂しいおこずかいで出せる訳ないだろ!!!