PRINCESS STEP
「無理に決まってんだろ!!!ってか、助けてもらっといて
何様だ貴様!」
男を睨みつけ、その体を突き放す。
それでも男は、恐ろしいくらい笑顔であたしを見下ろした。
じゃあ、君の体で弁償してね」
男はそう言って、あたしの手を引っ張り、歩き出す。
げっ!!誘拐される!!逃げ出す為に手を振り払おうとすると、それより早く、男はあたしを引き寄せた。
「っ……離せっ!!お前、何者だよ!!」
あたしの抵抗も虚しく、ズルズルと男に引きずられていく。
「俺?俺は天王寺 優。聞いた事無い?」
天王寺…優……?誰だそれは、有名人なのか?
あたしは分からないと言わんばかりに首を傾げると、男は少し嬉しそうに笑った。