PRINCESS STEP
「今なんて言った?」
確認の為再度聞き返す。
あたしの耳がちゃんと機能していたのなら部屋に案内するとか、しないとか…。
「部・屋だよ。菜智が暮らす部屋だ。今日からは一緒にこの天王寺家の屋敷で暮らしてね?」
そう言って悪戯な笑顔を見せる男を、殴りたい衝動にかられたが思い止まる。
「何故そうなる。あたしにも事情ってのがあんだよ」
そうだ、今日はアイツ等らご帰ってくるんだし………
めちゃくちゃ会いたくねぇけど!!
「あんな時間にあんな所にいたんだ、家に帰れない理由があるんじゃない?」
その言葉にあたしは押し黙る。
図星だ…?
だからって何故、あたしがこの男の家で住まなければならないのか…。
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