PRINCESS STEP
Teaとあなた
ーフワッ
「…………ん…?」
瞼越しの眩しい光と共に、何やら良い匂いがした。
花の匂い…?それでいて、甘いような…………。
「……………菜智」
優しく名前を呼ばれ、あたしはゆっくりと目を開ける。そこには、優しく微笑む優がいた。
「………………」
「………………」
寝ぼけているせいか、頭が上手く回らない。
これは……どんな状態だ…?
あたし、昨日どうしたんだっけ?そういえば、優に脅されて、期間限定のプリンセスになったんだったか……
「おはよう菜智」
そう言って優は、あたしの頭を優しく撫でる。その感覚に、意識がはっきりとしてきた。
「…優……お前なんで、此処にいる?場合によっては、その命無いと思え」
そういえば、布団も寝心地良かったし、ここはあたしの家じゃないんだな。そうか、ここに一緒に住むことになったのか。
いや、だからって、部屋にコイツが居るのはおかしい!!服は………とりあえず、大丈夫みたいだ。
万が一の事件が起きてないとわかると、安心して一息ついた。そして、あたしは、ギロリと優を睨み付ける。
それでも、あたしに何かしてたら、絶対に一発ぶん殴る………
「ふっ…」
あたしの言葉を気にもせず優は爽やかに笑う。
あぁ、コイツ………女のあたしよりも断然綺麗に笑うんだな…思わず見とれた。
「菜智、プリンセスはお前なんて言葉、使わないんだよ?だから優か、あ・な・た(ハート)って言うんだ」
「…………はぁ!?」
あ・な・た……。なんだそれは!?気色悪い!!コイツ、やっぱりどっかオカシイぞ!?
あたしは身の危険を感じ、ザザザッと後ずさった。