PRINCESS STEP
「これがキーマン…」
紅茶の香りを嗅いでみる。
蘭の花の香り…。確かストレートで飲むのが良いんだったか…。
「今日は金曜日だからねキーマンだ。匂いは記憶されやすい
って言うしね、頑張って菜智」
そう言って優は飲み終えた空のカップを片す。
「あ、そういえばさ……」
茶器を片す優に、あたしは疑問に思っていた事をぶつける。
「何で、3ヵ月のパーティーまでなんだ?」
婚約者のふりなんて、ずっとやらないと意味無いんじゃ……
「3ヵ月後のパーティーは、言わば婚約者探しの為のパーティーなんだよ」
「婚約者探し??なんか、お金持ちって大変だな…」
このご時世に、なんとまぁ……。お気の毒様だ。
「だから、その日を乗り切れば、あとは適当に誤魔化すさ」
「優、お前…やる事大胆なくせに、結構適当だな」
「そう?」
確実にそうだよ!!抜けてんたか、鋭いんだか……謎な奴だな。