PRINCESS STEP
「っ!!!」
あたしは、顔を真っ赤にして、涙目で優を睨みつけた。
何してくれてんだ、こいつ!!!い、いやいや落ち着けあたし。ここで、慌てたら、優の思うつぼだ。
「……優…てめぇ……」
「それも敬語じゃないね。俺としては嬉しいんだけど、そんなに求められちゃうと、俺、止まらな…」
そう言って優が迫ってくる。
よし、決めた。今すぐここで殺ス!!!
「…き…貴様…じゃなかった。ふざけるな…ですわ」
バキバキと拳を鳴らしながら、得意げに優を見上げる。
お、あたし、やれば出来るもんだな。
「…菜智……?なんでそんな得意げなのかな…?っていうか、今パキッて……手は大丈……」
「余計なお世話だーーーー!!!!」
ーバコーンッ
「グフェッ!!!」
顎に拳を叩き込むと、優は綺麗に弧を描いて、壁に衝突していった。
「良い……パンチすぎる…よ……」
優はか細い声で呟く。
「あ、優!あたし今日学校なんだけど」
伸びている優に、あたしは一番大事な用事を告げた。すると、優は驚いたように目を見開く。