PRINCESS STEP


「菜智さん…。さっきのは……あの…」


「幻だったんですよね?」とは言えずに佳奈は曖昧に言葉を切った。



「なんだ?どうしたのです?」



菜智の言葉に佳奈はもちろんその場の人間は体を硬直させた。



「………菜智…さん…」


声を震わせ佳奈はあたしの肩を掴む。



「な、なんだ?佳奈、目がイってるですよ?」


佳奈は瞳孔を開き声を上げた。




「な、菜智さんを今すぐ保健室へ!!!!」


佳奈の言葉にあたしは目を見開く。


保健室?なんであたしが…


「はい!佳奈さん!!」


「今すぐ診てもらいましょう!!」


そう言って男二人があたしの腕を掴んだ。
















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