PRINCESS STEP
「敬語だ!聞いてわからないのか?」
菜智の言葉にそこにいた全ての人間が目を点にした。誰もが思ったであろう事を琢磨は口にする。
「…敬語だったのか?」
そう言った琢磨に、あたしは自信満々に頷いて見せた。
「そんなのもわからないとはな!!馬鹿だなぁー、琢磨!」
「はぁ?馬鹿はお前だろ?お前、敬語なら全部(お)を付けりゃあ良いと思ってるだろ」
「はぁ?そこまで馬鹿にされちゃ困る!!」
琢磨の問いに、あたしはふんぞり返った。
「基本中の基本だ、そんなのつけるに決まって…」
「そこから終わってんだよ、お前は」
憐れむような琢磨、とその他大勢の視線が痛い。