PRINCESS STEP
「…あの……菜智さん…」
気まずそうに佳奈が口を開く。
「なんだ?」
そう言ったあたしを、真剣な瞳で佳奈は見つめた。
「………それは……敬語になってません!!こんな事言っては
いけないとは思っていたんですけど………」
そう言って佳奈は土下座をした。
「菜智さんに恥をかかせるくらいなら!!」
そう言って佳奈は地面におでこを擦り付ける。
おい、あたしの敬語は、恥なのか!?嘘、全然わかんねぇ!!
「確かに恥ずかしいな、菜智」
琢磨は笑ってあたしの目の前で手をヒラヒラと振った。