PRINCESS STEP


柔らかそうなブラウンの髪に、整いすぎてる顔が印象的だった。白馬の王子様が本当にいるのだとしたら、こういうのを言うんだな、と思う。


か、カッコ良すぎだろ!!


ガラの悪い男ばかり見てきたせいか、童話の中から出てきたんじゃないかと思うくらいにカッコ良い奴だった。



「…………………………」

「…………………………」



数分見つめ合う形になり、慌ててあたしは我に返る。恥ずかしさのあまり、顔が熱くなった。


何やってんだあたしは…。つうか、守ってやらなきゃなんねぇくらい弱い奴だぞ!?


無い無い無い!!!



「助けてくれてありがとう、お嬢さん」

「うっ……」


あたしの手を掴みながら、男は柔らかい笑顔を見せる。その笑顔にすら、酔いそうだった。



「強いんだねお嬢さん…。気に入ったよ」


そう言った男を、あたしは怪訝そうに見つめる。


何を言ってるんだ、この男は……
というか、近すぎるんだが!!!










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