約束のノート
ある日の帰り道。


翔平と一緒だ。


「なあ、光一」


「なんだ?」


「お前、なんか隠してるだろ」


ギクッとする。


コイツは、いつもはただのアホなくせに、どうしてこう鋭いのだろうか。


「別に・・・何も隠しちゃいねぇよ」


できるだけ動揺を悟られないように言う。


「ウソだっ!!」


俺のむなぐらをわしっとつかんでくる。


「お前は、隠してるっ!!それも大事なことをっ!!」


滅多にこんなことはしない翔平の行動に驚く。


「答えろよっ!俺は今まで訊くのを我慢してきたんだっ!」


「・・・・・・」


「俺たち、友達だろっ!?違うのかよっ!!」


「・・・・・・」


限界か・・・


「分かったよ・・・話すから、まずは離せ」


「あ、ああ・・・悪ぃ・・・」


翔平は、自分の行動に驚いているようだ。


本当に、我慢していたんだろう。


俺から身を離す。


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