約束のノート
「実はな・・・俺、引っ越すんだ」


「・・・そっか」


無表情で言う。


「あんま驚かないんだな」


「なんとなく予測はしてたからな」


「ふーん」


「いつ、どこに行くんだ?」


「冬休みが始まってすぐに、アメリカへ」


「じゃあ、そうそう会えなくなるんだな・・・」


「そういうことになる。けど、もう会えないって訳じゃないだろ」


「そりゃそうだ。隠してたのは、そう思ったからか?」


「まあ、そんな感じだな」


「遥ちゃんや、他の奴には」


「お前に隠してたぐらいだから、誰にも言ってねぇよ」


「そうか・・・美雪は知ってるんだよな?」


「ああ」


「俺は、遥ちゃんには話したほうがいいと思うけどな」


「いや、出来る限り隠す。そう決めたんだ」


「そう言うなら、協力はするけどな・・・いいんだな?」


翔平の言葉に、少し揺れるけど。


「・・・ああ」


俺はそう頷いた。


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