約束のノート
エピローグ
あの日から、何日経っただろう。


・・・忘れた。


わたしは、中学2年生になった。


「遥ちゃんっ」


わたしを呼ぶ声。


『どうしたの?』


「一緒に帰ろう?」


「・・・・・・」
うん、と大きく頷く。


「駅前に、美味しいって評判のケーキ屋があるんだ。帰ったら、一緒に行こ?」


「・・・・・・」
うん、と頷く。


笑顔で。


ケーキは大好き。


『皆も誘おう』


「うん。でも、本当に嬉しそうな顔するね」


だって、そうしなきゃ、わたしの気持ちは伝わらないから。


彼が教えてくれたこと。


表情や、ジェスチャーを使って、自分の思いを伝えるってこと。


・・・こーいちくん。


わたし、ちゃんとやれてるよ。


こーいちくんがいなくても。


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