約束のノート
「俺パシリかよっ」


「早く行け」


「ちっ・・・そんなのどこにやったか忘れたよ」


「美雪、持ってこい」


「あんた、自分の台本はどうしたのよ?」


「行方不明」


「・・・いいわ。あたしが持ってくる」


ため息混じりに席を立つ。


待つこと数分。


「これが台本よ」


机の上に台本を放り投げる。


俺は台本を手にとって、簡単に流し読みする。


「あんたまさか一度も読んでなかったの?」


「読んでたら行方不明にはなんねぇよ」


「・・・・・・」


呆れ混じりにため息をつく。まあ当然か。


流し読みしてみたところ、こんな感じだ。


声は出せないけれど、明るく無邪気な女の子。


その女の子を中心に、みんなが仲良くなって悪党をこらしめる。


そんな話だった。


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