約束のノート
「美雪、この意地悪な悪党の頭って役どうだ?お前にぴったりじゃないか」


「・・・ツブすわよ?」


「マジで怖いから、やめてくれ」


「遥ちゃん、どうだい。主役」


「・・・・・・」


やるとは言ったものの、まだ遥は不安そうな顔をしている。


『ちょっとふあんなの』


「なぁに、俺たちがフォローしてやるって」


『こーいちくんは、なにやるの?』


「俺か?俺は適当に脇役をやるさ」


そう言った途端に、上履きを踏んづけられる。


・・・・・・かなり痛い。


俺は踏んづけた相手をにらんだが、逆ににらみ返されてしまう。


(遥に主役やらせるんだから、脇役に逃げることは許さないわよ)


目でそう言われた気がした。


(ち・・・・・・)


心の中で舌打ちして、俺は遥に言った。


「主人公の3人の味方のうちのどれかをやるよ」


それを聞いて、遥の顔がぱぁっと明るくなる。


そんなに嬉しいのか・・・?


まあ、俺も遥のあんな笑顔が見れて嬉しいが。


つーか、今日配役決定なんだよな・・・少しまじめに考えるか。


俺は再び台本に目を通した。

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