約束のノート
「分かった!罰ゲームかなんかで、しゃべっちゃいけないんだろ。いいんだぜ、そういうことは気にしなくて」


「・・・・・・」


ふるふる。


また首を横に振る。


これも違うのか・・・


「もしかするともしかして、しゃべれないのか?」


「・・・・・・」


コクリ、と頷く。


「そっか・・・しゃべれないってのは、不便だろうなぁ・・・」


「・・・・・・・」


コクリと頷く。


「名前、なんていうんだ?」


「・・・・・・・」


口を動かすが、声は出なかった。


これじゃ名前を訊くこともできねぇな・・・


俺はハァ、と息をついてから言った。


「ちょっと待ってろ」


そう言うと、女の子はコクリと頷く。


近くの文房具屋で、ノートとサインペンを買って戻る。


< 3 / 131 >

この作品をシェア

pagetop