約束のノート
「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


・・・誰も、何も話さない。


沈黙が、場を支配する。


俺たちの雰囲気が、図書室の空気を悪くしてしまっている。


そう考えると、申し訳ない気がした。


「やっぱりさぁ」


最初に口を開いたのは、美雪だった。


まだ怒りが収まらない、という顔をしている。


「アイツの骨折っていい?」


「冗談でもそういうことは言うなよ」


「冗談じゃないんだけど」


「だったらなおさらだ」


翔平は、割と冷静だ。


美雪の相手は、翔平に任せることにする。


・・・遥の様子が、さっきからおかしい。


顔色も少し青い。


「大丈夫か?遥」


「・・・・・・」


うん、と頷くが、ひどく弱々しかった。


森野に言われたことが、相当こたえたのだろう。


「あんま、気にすんなよ」


こんなことを言うことしかできない自分が、腹立たしい。


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