約束のノート
俺は買ってきたノートと、サインペンを少女に差し出す。


「これで、自己紹介できるだろ。お前、名前は?」」


「・・・・・・」


きゅっきゅっとペンを走らせ、ノートを俺に見せる。


その手つきは慣れたものだった。


『片岡 遥』


「・・・なんて読むんだ?」


「・・・・・・」


次のページをめくってまたペンを走らせ、俺に見せる。


『かたおか はるか』


「へぇ・・・遥って言うのか。俺は杉内 光一だ。人は俺を、5年2組のマーライオンと呼ぶ・・・」


「・・・・・・・」


「お、今ちょっと笑ったな?」


なんだろう。


もっと、この子の笑顔が見たいと・・・そう思った。


だが同時に、あることにも気づいた。



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