約束のノート
「美雪~。死なないようにやれよ~」


離れたところから、声援を浴びせる。


「って、助けてくれないのかよっ!!」


「フフ・・・コイツの頑丈さを祈るのね・・・・・・」


「いやっ、冗談じゃねぇっ」


翔平が一目散に逃げ出す。


「待ちなさい、このヘタレッー!!」


それを美雪が追いかける。


「元気な奴ら・・・」


『でも、たのしそうなの』


あ・・・・・・捕まった。


一発、翔平の腹にボディーブローを叩き込む。


そのまま、腕を翔平の首に巻きつけた。


「二度とあたしが暴力女って言わないっ!?ん!?」


「い・・・いいまぜん」


「よし・・・・・・」


美雪が翔平から離れる。


(暴力ふるってんじゃん・・・)


美雪から開放されたが、翔平はピクリともしない。


「哀れ、翔平は魔王によって滅ぼされた・・・」


『みゆきちゃんが聞いたら、たいへんだね』


「笑顔で怖いこと言うな」


遥も、昨日のことがウソのように元気だ。


よかったな、と思う。


こんなふうに、最高におかしい翔平と美雪を見て過ごしたら、休み時間は終わった。


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