約束のノート
放課後になる。


「しっかし、果たし状か。ずいぶん古臭い奴だな」


後ろの席の翔平が言う。


「でも、なんでこんなことをしてきたんだろうな」


「まぁ、想像はつくけどな」


わざわざ、俺たち4人を呼び出した理由。


おそらく・・・


「学芸会・・・だよな」


「それしか思い当たるフシがないな」


考えてみたら、森野のあの『コエナシ』の紙も、学芸会で遥が主役になったのがきっかけだろう。


そう考えると、遥を傷つけたのは、俺のせいじゃないか・・・


自分の愚かさに、腹が立つ。


「・・・光一?」


「っと、悪い」


翔平の声に、我に帰る。


「となると、主役明け渡せ、みたいなこと言ってくるのかな」


「冗談にならねぇな・・・」


学芸会の指揮を取っている、ヒゲ先生。


あの人なら、「対決して勝てば、主役交代してやる」とか本気で言いそうだ。


「来たわね」


「よし、行くか」


教室の外で遥たちと落ちあって、校庭へと向かった。


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