約束のノート
不器用だけれども

少女の歩く階段

週が明けて、月曜日の昼休み。


いつものように、4人で図書室にいる。


ウチの学年は、俺たちの勝負のことで持ちきりらしかった。


「なんか、鼻が高いな」


「あたしがいたからね」


『みんな、すごいの』


翔平たちは、そのことに好き勝手に感想を述べていた。


どうやら、なんだかんだで目立ってしまったらしい。


まあ、この際関係ない。


・・・俺たちがいる。


「おい、バカダンク」


しばらく翔平の事はそう呼ぶことにする。


「誰がバカダンクだっ」


「返事してる時点であんたじゃない・・・」


「ハイハイ、バカダンクでいいよ。なんだよ、光一」


「校舎内を、上半身裸で走ったら1000円」


「マジッ!?よし、やってきてやる・・・」


そう言って自分の服に手をかける。


「・・・訳ないだろっ」


が、手をかけただけでやめた。


「なんだよ。せっかく1000円って言ってるのに」


「どうせお前のことだから、1000円もらうとか言うんだろ・・・それに、10000円積まれてもそんなことやらねぇよ」


「・・・・・・」


俺はひそかにショックを受けていた。


俺って、翔平に思考が読まれるくらい単純な頭なのだろうか・・・



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