約束のノート

「人の前で、ずいぶん楽しそうなこと言ってくれるじゃない～。ん～？」


「い、いや・・・冗談です、ハイ」


恐怖で震える翔平。


「ハハハッー。面白い冗談ね～。次言ったら殺すからね♪」


「ハイ・・・・・・」


魔王の笑顔には、頷くしか選択肢はない。


「何だよ、つまんねぇな・・・」


俺が残念そうな声をあげる。


「お前ね・・・俺が殴られるほうがいいってか？」


「ああ」


「頼むからそこは否定しろよっ」


途端、遥がクスッと噴き出す。


「どうした、遥。そんなに翔平の顔がおかしいか」


「おかしくねぇよっ」


「・・・・・・」
ふるふる、と首を振る。


『みんながいつも通りなの見たら、落ち着いたの』


「・・・そっか」


あんなアホなやりとりで落ち着いたならよかった。


それから、リハーサルは無事に終了した。