約束のノート

同じ高みへ

いよいよ迎えた。


学芸会当日。


登校中に、遥を見かける。


「いよっ。遥」


『おはようなの』


緊張しているようだが、昨日ほどではない。


リハーサルでうまくやれたことが、少なからず自信になっているのだろう。


(俺も頑張らなきゃな・・・)


今日が本番。


そう考えると、嫌でも緊張はする。


「遥、大変なんだ・・・」


お互いの緊張をほぐすために、適当な話題を振る。


『何が?』


「実はな、美雪が・・・魔王になってしまったんだ」


「・・・・・・・」
ちょっと複雑な顔をされる。


「そして、今日の朝、俺に電話をかけてきたんだ。あいつは、魔王になる前の最後の理性で、こう言ったんだ・・・」


「・・・・・・・」
うん・・・・・・


「『あたしがもし魔王に変わってしまっても、あたしのこと忘れないでね』ってな。だから美雪は今日は休みだ」


「・・・・・・」
微妙な表情をされる。


『ウソだよね?』


「本当だ」


「ンなワケ無いでしょッ!!」


ベチーンッ!!


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